知は力なり

ライフスタイル、変革してみせよう

日本再興戦略 落合陽一  再興の理系者的切り口とは。

 

ぼくもミーハーなので、この落合陽一さんの本、

前買っておいて今まで積読してましたが今回読みました。

 

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落合陽一、

今、超売れっ子の科学者で大学教員(?肩書き多いぞ)です。

まあ、テレビでもキャラが独特だし、Twitterみててもアイコンを毎週変えてみたり、やることが”変態”です。

彼のテレビ出演は、好き嫌いが分かれるでしょうねー。

あのしゃべり方、格好、周りに対する態度。

ぼく個人はああいう変態なタイプ大好きなんですが、今となってはマイルドヤンキーな環境にいたら、いつのまにか牙を抜かれたセイウチになっておとなしくしていますが、本来はああいう感じが理想的であると思っています。

 

 

コミットメントがあって、

ガチに未来に対して意識高い系で、

だから自己主張がしっかりしていて。

きちんと結果を出して、

人々から必要とされて。

 

売れているのには理由がある。

 

松陰先生も言っています。

「諸君、狂いたまえ」

 

 

彼はテクノロジーを前提に物事や未来の戦略を考えてるので(そんな人なかなかいない)、他の日本復興の本とかとは確実に切り口が違います。またテレビに出ても、例えば朝まで〇テレビとかに出てくる論客とはその射程を大幅に越えています。彼も朝まで~には出演したりしますが、他の出演者とは話してる射程や専門性がかみ合わなくて、他の出演者ぽかーん。

でも今の時代、テクノロジー抜きで語ることは絶対にできません。

なぜなら、これからはAIとかビッグデータとかディープラーニングの時代だからです。世界を変えるようなモノはそこからしか出てこない。

だから彼のような理数系、科学者のアイデアや視点から将来の「日本再興」を語るというのが、どうしても必要でしょう。ただでさえそういう分野から遅れている日本。じゃあ日本は世界とは違う分野で勝負しよう、何でも世界世界とそこに迎合しなくていいじゃないか、という議論は成り立ちません。

「パソコンは使いません!」

と言って総バッシングを喰らったセキュリティ大臣のように、最低限のことは必要なのです。

車が無くて生活できますか?

インターネットがなくてビジネス出来るんですか?

GAFAなどの資産家やタックスヘイブンを批判して、あなたそういうカンパニーの企業活動や製品否定して、人生のクオリティ高まるんですか?

そういうインフラを否定して、何か別の豊かになる"道"があるのかと言ったらそんなものはこの世に存在していません。後発者はイノベーターに追随しながらそのおこぼれをもらうのが精一杯だから、AIとかスパコンから感情的に目を背けるのは、どんどん世界から取り残されてもっと惨めになっていくだけなのです。

そういう落合氏の未来への提言、気になる所ですが、だいたい、理系、テクノロジー、若い、奇抜、態度デカい、という要素がそろえばそりゃホリエモンのような「新自由主義的」な、「旧体制死ね」的な本に仕上がっているかと思えば、案外そうでもなく、大学という場所に在籍しているだけあって、以下のようなところが意外な主張ではありました。

・「欧米」というものはそもそも存在しない。 

・西洋に倣うのではなく東洋的に、個人化ではなく脱中心の集団化として

日本的なるものとは何かー天皇と宗教

・日本の現状を考えるとロボット活用は有効

・だから日本はアジアへのパワーシフトの始まりになれる

・なぜなら人類は機械と融合するのだから(デジタルネイチャー)、と。

・そして政治と教育はこんな感じの方向で進めてねf:id:greatknowledge:20181123233800p:plain

ホリエモンのような、地方や高齢者をばっさり切り捨て、日本の文化や価値観をブン投げて新しい何かを打ち立てる、ような内容ではなく、人口減少高齢化だからこそチャンスなんだ、日本のサービスが売れるんだ、と日本の良いとこは残し活用しながら、世界をけん引していけるような成長を目指しましょうよ、それにはまずテクノロジーの分野を政治や教育に浸透させないといけないな、というなんとも希望のあるメッセージでした。

 

 

科学的な世界の動向は当然ながら、歴史や教育や地理政治についてもかなり造詣の深い彼。だからこそ単なるテクノロジーオタクのテクノロジー万歳じゃなくて、ちゃんとした戦略が立てれる。

 

成功者というのは、幅が広い。

ということがよくわかります。

本当に、「学際的」なのですよ。

 

いろんな本を読まなきゃ、うん。

 

経営者、メディアアーティスト、大学の教育者・研究者という3つの顔を持っているからこそ、統一的に「再興」を推進できる。

こういう人がこれからどれだけ世に出てくるか、ですね。

 

 

売れっ子の彼だからこそ、出版に時間をかけられず突貫工事で執筆した感は否めませんが。日本に希望を持ちたい、テクノロジーの未来を簡潔に知りたい、そんな人は読んでおいて損はないと思います。

 

 

おわり。