ビジネスについて、特に「ブランドってなんだよ?」って時に読む本
久々に、ビジネスについて考えたいと思い、ビジネス書を手に取りました。
売らずに売る技術 高級ブランドに学ぶ安売りせずに売る秘密 (集英社ビジネス書)
小山田裕哉
「ビジネスについて考える」
ビジネスとは?
と考えていくと現代においては、「ビジネス = ブランド」と言っても過言ではない時代になってきています。
だからこそ、「ブランドってなんだよ?」と考えることは、ビジネスマンには大事な宿題です。商売が困難な時代、なので「売らずに売る!!?」というこの本のタイトルはつかみオッケーでなかなかイケてるんじゃないでしょうか。
「売らずに売る」という、なんだか「素でいるのにスーパーモテる」的なキャッチーなタイトルで、そんな凄テクを欲しいと思わせる。
だからセールスの一歩目、
”Qualify” は、ばっちりです。
さて、第一印象のハードルを越えると、次は中身です。
タイトルでハードル上げ過ぎると、フタヲ開けて中をよくよく見てもらった時にたいへんザンネンなコンテンツだったというのは、ビジネスシーンにおいてよくあることですが、そうなると評価はガタ落ちで、お客さんはさーっと引いていき、二度とこっちをみようとしません。
このハードルを越えるのに必要なのが、
「お前はブランドなのか?」
という本質的な問いに、商売人が答えることなのです。
これは書籍でも、ラーメンでも、ブログでも、課金サロンでも、メルマガでも、そうです。
ブランドになっていれば書籍は増刷増刷、ラーメンには行列がズラーッと並ぶし、超人気メルマガ発行者です。
だからビジネスでも男でも大事な共通点というのは、「中身だよ」ということですから、中身がギッシリ詰まっている価値の高いものだけが相手に支持される、
その中身のあるものと作っていく過程で、「ブランドを意識しながら」それを制作していけ、ということなのです。そしてそれを達成するためのマインドセットとしては、ガツンとビッグマウスをたたいといて、その期待を大幅に超える実力を提供するという
over promise - over deliver
の原則です。
まさに、タイトルで引きつけられて本を手にしたぼくが、その中身をざっと見て、「!!?」となるか、「。。。。。」となるか、どういう反応の違いが生じるかです。商売人、提供者はココに注力しないといけない。
ココをいつも達成できなければいつまでも「ブランド」としては認識されず、早かれ遅かれ廃業です。
今となっては、規模の経済を効かせるとか、いかにコストを削減して安売り合戦を制するか、というのは大昔のビジネス観です、決定的なカギは「ブランドになる」で、「売らずに売る」という、まさにそのことです、
くどいようですが、ビジネスも、男も、一緒だということですね(爆)
じゃあ肝心なその「ブランドとは何ぞや?」
ここコアのコアに明確に答えてくれた本というのは、実はそんなに多くないのが実状です。
探しても探しても、なかなか見つからない。
ブランドをグーグルさんに聞いても、ぼやっとした回答で、アマゾンさんで書籍関連でしらべても、なんか自己啓発的な経験談をブランドの創業者が書いたという本がズラーッと並んでいるだけであって、どうも役に立ちません。
「ブランドが重要」というのは本当にその通りで、
グローバルな大手ブランドから小売り企業まで、さらにはスマホとSNSの浸透により個人がインフルエンサーになる領域まで、さっきも言いましたけど「ブランドにならないと、廃業だ」ということを意味しています。
逆に言うと、ブランドになれればほぼそのビジネスは安泰で、強力な顧客がいつもそれを支持してくれます。だからブランドの意義や価値を語れるというのはまさに、中身のある商品・ビジネス成功への第一歩なのです。
と同時に、そのブランドというのは企業の規模、大企業かどうか、高価な商品かどうか、とはなんの関係もないということは肝に銘じておきたいところです。
スペックじゃないんだ、というのは男も同じですね。
「売らずに売る」本は、
ブランドとは⇒
「本物」「親切」「正直」
と答えています。
差別化してコモディティを回避する、顧客が信頼や愛着を強烈に感じるブランドはどういうものか、それはこの三大要素だ、と。
この三要素を有名ブランドがどう体現して、スマホとSNS、若者の車離れ、口コミ、ラグジュアリー市場、という時代の変化にどう作用しているのかなどなど、
「現状分析」と「未来の消費者」についてあらゆる事例を豊富に用いて示してくれてます。
その点で、うん、面白く読めました。
何度もくどいですがやっぱり、ラグジュアリーブランド市場の競争も、男の恋愛市場の競争も、原理は一緒だな。。確固としたブランド人として認知されないと、どのみち廃業です。
なんというか、ビジネスはアメリカが日本の5年先を行ってると言われてますから、だからぼくはこの手の本を読むときは外人作家が書いたものがいいんだけど、今回はなかったんですよね。
誰かいい本あったら教えてください(^Д^)
アメリカ人などは、体系的に論じるというのが文化的に身に染み付いているので、その体系骨子を中心にしてさまざまなケーススタディをブッ込んでくるので、スーッと納得させる議論が展開されているし、たとえ話もエッジが効いていて遊び心があるから、面白くて一気に読めるんですよね。
読後感も良くて、
「キンドル買ったけど、紙でも買っておこう」
となる。
まさに、売らずに売るじゃん、買わされたオレ(汗)
今回のこの小山田さんの本は、まあケーススタディをまずもってきてそこから帰納的に要素を抽出しましたという構成なので、
大原則をドンと中心に持ってきてそこからケースを手品のように論証していくスタイルが好みなぼくには、イマイチ重厚感に欠ける本ではありましたが、
それでもケーススタディを適宜復習する意味では、手元のおいておくもの悪くないなと思う本でしたあ。
おわり。
☆面白い本があればコメントで教えてください、待ってマース。 読書はエンタメ。